福岡市東区  倉富 治郎

我が家のたいして広くもない庭に、バラばかり植えています。
ツルバラの咲く春は御近所の皆さんにも楽しんでいただいています。ピエールドロンサール、アブラハムダービーが自慢です。

今の庭は日当たりが今一つなので、バラに向いた場所に移転を計画中です。ますますバラに引き込まれています。

バラ作りの楽しみ

 2005年、福岡西方沖地震が発生しました。私のバラ栽培はこの年にスタートしました。2021年でもう16年にもなります。たいていの会員の皆さんはもともとバラに興味を持ち、その魅力に引かれてバラ作りに夢中になったのではないでしょうか。私は少々異なります。

入会のきっかけ

 2005年、義父が脳腫瘍で突然亡くなりました。義父は久留米の緑花センターで植木の販売を行っていました。(屋号:久留米緑樹園) 突然の死で店を続けることができず、閉店する事になりました。その時、売れ残っていたバラ苗が50株以上ありました。その当時、私はガーデニングに全く興味がなく、我が家にバラは一株もありませんでした。ちょうどこの年、中古で購入し15年暮らした家を建て替えて、庭もきれいにしたところでした。もともとバラを植える予定はしていなかったため、バラを植える場所がわからず、大量のバラ苗を小さい鉢のまま芝生の上に並べて何もせず放っていました。潅水もせず炎天下、小さい鉢のまま放置するとバラは枯れます。今思い返すと義父に申し訳ないと反省するのみです。カラカラになって枯れている庭のバラを見て、義母の古くからの友人だった山口博子さんが見かねて声をかけてこられました。折角バラを育てるなら、バラ会に入って育て方を習いなさい、と提案頂き、亡くなった義父も店にあったバラを育てると喜ぶだろうと思い、紹介いただいた福岡バラ会に入会いたしました。以上がバラ会入会の経緯です。バラに興味もないのに入会した会員は私くらいと思います。

優しい先輩たちとの出会い

 なまけながらも例会に参加し、やっとバラの手入れの初歩がわかったおかげで、入会後最初の秋、病気や虫食いだらけの中でやっと2、3輪綺麗に咲きました。黄色の「北斗」でした。うれしくなって、バラ展の会場に持参したのですが、会場に並んだ会員の皆さんの花達のあまりのすごさに驚き呆然としていました。それを見かねたのか、近くにいた東さんに声をかけて頂き、丁寧にバラの活け方を教えていただきました。さらに会場でうろうろしていたところ、小林先生から「教師初任の際、同期に倉富がいた。大酒飲みだったが身内ではないか?」と笑顔で声をかけていただきました。さらに本多さんから、「バラを育てるなら自宅を見においで」、と声をかけていただき、その後伺わせていただきました。この最初のバラ展で大先輩たちに優しく声をかけて頂き、少しはまじめに育てようと思い始めたのがバラに夢中になる最初でした。

これから さらに

 入会当時はまだ若く、仕事が忙しく手入れの時間もあまり割けませんでした。それでも、毎年少しづつ綺麗になっていくバラを見ているとうれしくなり、だんだんと庭に出る時間が長くなり、いつの間にかすっかりバラの魅力に取りつかれています。16年前、最初に我が家に来たバラもまだ数株、元気に花をつけています。もう少しで仕事も引退です。これからはさらにバラ作りを楽しみたいと思います。 私の人生に、バラ作りを楽しむ機会を与えてくれた義父、温かくご指導いただきましたバラ会の大先輩の皆様に心から感謝いたします。これからも福岡バラ会の皆様とバラ作りを楽しみたいと存じますので何卒宜しくお願いいたします。

2020年12月28日


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